職員研修の体験談・1(生活介護事業所・通所施設)
Q1:申し込む前のこと
どういうことで悩んでおられましたか?
どういうことを解決したいと思われていましたか?
当施設は、高等部卒業後の最終受け皿という位置づけの施設であり、最重度知的障がい者の通所施設です。
数十名の利用者さんが強度行動障害(飛び出し、こだわり、自傷、他害、動き回るなど)です。
とにかく、安全確保のために職員が身体を張るしかありませんでした。
毎日毎日、職員の負傷や利用者さん同士の接触事故、そんな緊迫感で疲弊していました。
そんなときに、出会ったのが『かくたつ播磨』です。
利用者を良くしたいというより、職員を守りたい、その一心で施設長の許可を得て、申し込みました。
Q2:今、どうなっていますか?
(申し込む前の悩みの変化、あなた様自身の変化、お子さんの様子の変化など)
他害行動(本人にとっては人を傷つけようとは思っていない場合が多いので、あんまりこの言葉は好きではないのですが…)の大きい利用者への、普段からの支援アプローチの意識の根底がひっくり返りました。
多少の波はあるものの、その利用者の過去を知らない職員には想像つかないほど行動が落ち着きました。
Q3:具体的によかったところは、例えば、どんなところですか?
とにかく、職員の生傷が減った!
そして、職員が利用者との日々の付き合いに張り合いを持てた、これが何よりです。
Q4:印象に残っている具体的なエピソード、感動した・心が動かされたエピソードは、どんなエピソードですか?
反射、意図、力み、うまく動く、働く張り合い、引っ張られる、開始困難・継続困難・終了困難……いままでの利用者の不適応行動を教科書的に【ありのまま受容】することしか教育されていなかった私たちにとって、全ての日本語が新鮮でしたし、問題とされていた利用者の行動の理解に繋がりました。
Q5:その他メッセージをお願いします
藁にもすがる思いで、守本さんに出会うことができました。
しかし、他の職員は日々の現場で精一杯でしたのし、リーダー格の職員たちの守本さんへの疑いのまなざしは、今となっては守本さんと彼らの笑い話です。
【補足】
「疑いのまなざし」とありますが、そのことについて、リーダーの職員さんが正直に伝えてくれたことを書いておきます。
「(今までの)カラーや状態の施設に守本さんが入ってくることは今まで行なってきた支援とは別の支援なので受け入れがたかったり、容易には理解し辛い状態です。私も実際に受け入れるまでかなりの時間がかかりましたし、理解するのも難しかったです。また今まで行なってきた支援に自信だったり、プライドみたいなものも受け入れるのに邪魔をしていたとも思います。」
というようなことを伝えてくれました。
そして今では「最初は何者やと思いましたよ」などと笑って話せる関係になったということです。