親と子の関係はどうあるべきか、親子関係の捉え直し

「自分で選択できることは良いことだから尊重しましょう」と教えられてきたけれど…

体験談・2(Jさん)(自閉症スペクトラム者)

 

Q1:申し込む前のこと

どういうことで悩んでおられましたか?

どういうことを解決したいと思われていましたか?

 

自傷・他害・破壊行為は幼少の頃よりあったのですが、思春期に入り、体も大きくなったことから激しさがどんどん増していきました。

家庭生活が難しくなり、また、何に対して、どうしてそうなってしまったのかも分からず、家族も混乱し、疲れ果てていました。

楽しい余暇活動を取り入れても、本人が“しなければならないこと”に形を変えてしまい、楽しそうな表情をしなくなっていました。

そんな中でも我が子が一番苦しいのだということはわかっていたので、何とかしてやりたい、笑顔をとりもどしてやりたいと思っていました。

 

Q2:今、どうなっていますか?

(申し込む前の悩みの変化、あなた様自身の変化、お子さんの様子の変化など)

 

以前は、我が子のペースに、こだわりに、家族が振りまわされ、それが段々とエスカレートしていったように思います。

先生といろいろとお話ししているうちに、ひとりの大人として生活していくことや我が子のかかえているしんどさを理解しながら、日々努力してゆくことの大切さを教えていただきました。

障害があるから無理しなくても良い訳ではなく、頑張れそうなところから頑張る、家族の一員として役割を持ち、社会の一員として愛される存在になる為、先生と共に日々を見直していきました。

 

現在は睡眠の若干の乱れや多少の不調はありますが、家での毎日の取り組みのおかげで良いペースにもどれるようになりました。

 

Q3:具体的によかったところは、例えば、どんなところですか?

 

親は自分達の概念で物事をはかってしまっていました。その時々に先生に我が子の概念、メカニズムを本当に適確に教えていただけるので“なぜ…”“どうして…”と心で責めていた部分が“ああ、そういうことか”に変わり、理解できるようになりました。

ぼんやりしていた部分やもつれてしまっていた部分も浮き彫りになり、もちろん分かったと言ってもすぐなおるわけではありませんが、先生にその都度取り組み方を教えていただいています。

 

困ったことがあれば電話やメールですぐに相談できる、相談した事は適確にアドバイスいたいただけるという安心感から心のよりどころになり、そうしたことが親の安定、そして我が子の安定につながっていると思っています。

 

Q4:印象に残っている具体的なエピソード、感動した・心が動かされたエピソードは、どんなエピソードですか?

 

言葉使いをていねいにすることや手足を動かさずじっと待ってるようになることは日々を思慮深く過ごすために必要なことだということ。

 

障害があるから、自閉症だからではなく、人として大切なことを日々頑張って努力してゆくことが豊かなことだと教えていただきました。


かくたつ播磨

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