かくたつ播磨・守本の信念

自分を支えてくれるもの

【知識や技術は工夫の一つ・目的はよりよい人生を送ること】

特別なことなど何もなく大学生になった。

そこで勉強するために、大学を選んだ。

通学は電車で、2時間くらいかかった。

 

電車で読んだ本に

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 「たとえ一つ覚えでもいい、自分自身に確実に心の支えになるものを自分の努力で獲得したことがあるか」

  (『美しい生き方に感動しよう』(著:鈴木健二)講談社+α文庫、p.82)

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と書いてあった。

 

その時、僕は、「自分にはない」と思った。

 

自分には心の支えがないような気がして、不安になったのかも知れない。

新入生を勧誘していた、大学のギター・マンドリンクラブに、

音痴で、音符も読めない、もちろん楽器は弾けないのに、入部してしまった。

勉強もせずに、楽器の練習をした。

とにかく毎日、練習した。

上手くなりたかった、というよりは、自分の不安を消そうとしていたのだろう。

やっぱり同期よりも上手にはなれなかったが、心の支えになるものを自分の努力で獲得できたと感じた。

最後の演奏会が終わったとき、メチャクチャ泣いた。

どう思われたか分からないが、今となっては、不安でしかたがなかったところから抜け出せた安堵の涙だったのかも知れない。

 

社会福祉士の実習で、あかりの家に行った。

 

あかりの家の実習中に

第9回あかりの家公開事例研究会 講演の記録『僕が自閉語を話すわけ』(有)かくたつグループ代表取締役 片倉 信夫

(2003.2.24高砂市保健福祉センター)

を読ませていただいた。

 

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(略)本人にきっちり説明して本人が徹底的に努力するということです。

(略)本人が全然やる気が無くて、「僕自閉症したいんです」って言ったら、「許されん!そうやって甘ったれて逃げるんじゃないよ!そんな人生つまんないよ!」って怒ります、僕は。

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その通りだ。

そんな人生つまらないんだ。

自分の努力で心の支えになるものを獲得できるようにしていくということは、障害のあるなしに関係ないんだ。

 

学校や資格試験勉強で福祉を学んでも、実習では何もできなかったし、何をしたらいいのか分からなかった。

これならできる、いや、これがなかったら生きていけない、これをしなければならないと思った。

 

できないことは多いのかも知れない。

それでも、出来ないことはないのではないか。

 

「なにかが出来るようになったら嬉しいよ」

「努力して、努力して、努力したら、自信になるものを獲得できるよ」

「その自信とうまくいった経験があれば、次のハードルも超えてみようと思えるぞ」

 

そうやって、「つまらん人生」ではなく「はりあいのある人生」を応援したい。

 

自閉症の人が、自傷したり、他害したり、叫んだりするのは、不安なのかも知れない。

確実に心の支えになるものがないのではないか。

それは、〇〇療法が獲得させてくるものではない。

逃げずに、努力することでしか得られないものだ。

 

これが僕の信念です。

『<心の支え>とは何か?』へ続く


かくたつ播磨

店主・守本 悠哉(社会福祉士・公認心理師)

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