できるようになるために、発達の土台から築いていく
【方向があっている努力になるように】
『怠けてなんかない! 0ゼロシーズン ディスレクシア 読む・書く・記憶するのが苦手になるのを少しでも防ぐために』
竹田契一・監修
品川裕香・著
岩崎書店
2011年2月1日 第1刷発行
この本から引用する。
**引用**
・p.60
情報を理解できなかったり定着させられなかったりする子どもたちの取材をしていると、目の機能訓練や視覚的・聴覚的な情報処理などの訓練ばかり、あるいはひたすら書かせるとか読ませるといった訓練ばかりやっているケースに遭遇することが多々あります。
しかし、子どもたちが示す特性を考えると、脳がどういうふうに発達していくかという視点を踏まえることが重要であるとわかります。これは赤ちゃんの成長を考えるとわかることなのですが、最初に基礎的な感覚が育ち、次に首が座ってハイハイするなど、肩やひじなど大きな関節や大きな筋肉を動かす粗大運動ができるようになり、あわせて指先を握るなど小さな関節や小さな筋肉を動かす微細運動ができるようになり、その次に巧緻性(目で見たように手や体を動かすこと・目と手の協応動作)が発達し、言語の発達はそのあとにきます。つまり、脳の発達には階層性があり、土台に基礎的な感覚が育ち、次に粗大運動、その次に巧緻性(目と手の協応動作)が発達し、最後に認知、つまり言語理解がくるのです。
発達になんらかの偏りがある場合、この基礎感覚一粗大運動・微細運動一巧緻性といった、学習レディネス(=学習を行うための土台・準備)が十分に鍛えられていない可能性があります。
**引用ここまで**
本当にその通り。
運動、身体発達の土台を築いていくプログラムを提供しているのは、この通りだからです。
土台がないところに、上辺だけの訓練を積み重ねると、倒れます。
発達の凸凹の凹を上から埋めるだけでは、上手くいきません。
凸凹の下にある土台をキチンと作っていくことが大切です。
発達障害があると言われたら、
腰は育っているか
首は育っているか
足首は育っているか
前後の不随意運動が残っていないか
上下の不随意運動は抑制されているか
左右の不随意運動は残っていないか
運動を通して、アセスメントし、育っていけるように一人ひとりプログラムを工夫していきます。