社会性と対人関係

物相手ではなく、人相手

人を意識して、課題や運動をする

ソーシャルスキルとは、

対人場面において、相手に適切にお付き合いをするための対人行動のこと。

  

ソーシャルスキルトレーニングとは、

その対人行動を習得する練習のこと。

というように書かれています。

  

対人行動は対人間に対しての行動。

それに対して、対物(モノ)に対しての行動として対物行動(関係)を考えます。

  

自閉症児や発達障害児とかみ合わない経験として…

例えば、

「さぁ、これやろう」と積み木や遊び道具などの『物』を出したとします。

子どもはパッと持ってやり始めます。

「気に入ったんやね」などと思ってしまいます。

しかし、ポンッと放って、やめてしまう。

  

例えば、

教材を用意していると、スッと寄ってきて、触る。

こちらがカードなどを置いているけれど、大人が持っているカードもパッと取って、やり始める。

「よっぽど気にいったのかな」などど思ってしまいます。

そう思って声をかけますが、カードしか見ていません。

  

隣に『人間』がいるのですが、『物』しか見ていない状態です。

物相手にやっていて、人とはやりとりをしていない状態です。

  

キャッチボールをするにしても、

ボールを転がして相手に渡すにしても、

ボールを持った途端に投げたり転がしてしまう。

それは、相手を見ていない、意識していません。

これではSSTにならないです。

自分がボールを持ったら、相手がそれを受け取る準備ができているかを見なければなりません。

「投げるよ」と声をかけるのもいいでしょう。

でも、表面的なトレーニング・机の上の勉強だけでは、ただ声をかけるだけになってしまいます。

形だけで受け取ってしまう、表面的な理解をしがちなのですから、そうならないように教えなければなりません。

声をかけるだけではなくて、相手がそれに応えているかも見なければなりません。

  

そうしないと、相手はボールを取れないし、キャッチボールにならない、というような体験をしながら、何故そうすることが必要なのかを感じてもらうことも大事です。

  

社会性のあるスキルというのは、

「何か触りたいのが出てきたぞ」と思っても、パッと取らない、相手を見る、『どうぞ』と言われてから、取る、それから始める。

こういう社会性も必要なはずです。

  

パッと取らないためには、衝動をコントロールできるようにならないといけません。

待つ力も必要です。

アイコンタクトを取ることも必要です。

注目し続ける集中力も要ります。

  

要するに、対物関係で行うのではなくて、対人関係で行うことが必要なのです。


かくたつ播磨

店主・守本 悠哉(社会福祉士・公認心理師)

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