『感覚と運動の高次化からみた子ども理解』(1)

「特性」という言葉で片付けない・治せるものは治す

発達の過程をみる

『感覚と運動の高次化からみた子ども理解』宇佐川浩

p.164

例えば広汎性発達障害児の特性は、健常児あるいは他の遅滞児と比べて行動がどう異なっているかは明示されるが、一連の行動特性が発達プロセス上のつまずきとしてどのように位置づけられているかは定かではない。分類基準にあるような言語コミニュケーションの欠如にせよ、想像力の欠如にせよ、常同的反復的行動にせよ、発達過程のどこでつまずいていることなのか、またどの発達要因が育つことによってそのつまずきがのりこえやすくなるのか、といった視点からの記述が必要なのではないか。

 

*****

 

「自閉症だから」

「障害特性だから」

そういう言葉で簡単に片づけてほしくない、と言いたい。

「こういう人だから」

というのは、支援する側にとって都合のよい言い方である。

 

そうではなくて、子どもの行動を見たとき、子どもが起こす行動を発達のなかで見なければなりません。

 

発達の過程の中で、経験しそこねた動きはないか?

前の段階を飛ばして、次の段階をしようとしているから困っているのでは?

自傷や他害をせざるを得ない身体になっていないか?

多動なのは、ジッとできない身体なのではないか?

人に合わせる力は育っているか?

 

「自閉症だから」「発達障害だから」と諦めてほしくありません。

どういうところが不足しているのかを見極めて、発達をうながしたいのです。


かくたつ播磨

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