腕一本分ってどれくらい?
【ボディイメージはソーシャルスキルの基礎】
「人との距離は腕一本分を空けましょう」
と教えられても、
人の前に立つたびに、腕を伸ばしていたら、それはソーシャルスキルが身についているとは言えません。
「腕一本分」ということだけを教えても、それがどれくらいなのか、という感覚(ボディイメージ)がなければ、実行できません。
コミュニケーション場面を想定して運動との関係を考えます。
<人と話す>という場面を想定します。
この場面での行動を分ければ、以下のように書けます。
1.相手の前で止まる
↓
2.相手の名前を呼ぶ
↓
3.相手が返事をしたら話しかける
この場面でのSSTの指導は、この流れを教えるだけでは不十分です。
なぜなら、
1.相手の前で、近すぎず、遠すぎない位置で、止まる
↓
2.その場の状況に合わせた音量で、相手の名前を呼ぶ、
もしくは、
相手が気づき、かつ、痛くない強さで肩をトントンと叩く
また、
相手が誰かと話していたり、何か用事をしていたら、少しタイミングを待つ
↓
3.相手が返事をするまで待ってから話しかける
というように、
・適切な位置をつかむためのボディイメージ
・声量や叩く力の自分の言動の出力調整
・待つ力、待ち続ける力
・話されている間は黙っている力
・聞く力
・聞いてから答えること
が必要だからです。
これらの力を身につけるために、実際の運動場面で繰り返し練習していきます。