動きの療育支援の意味 3.自分で自分の動きをコントロール(自律)していけるようにする

動きが変われば、しなくて済むようになる

【しつけと生活習慣行動のスキル】

3.自分で自分の動きをコントロール(自律)していけるようにする

本人自身で止めにくい場合、最初はかなりの応援が必要である。
しかし、100%こちらが支援したのでは「できた」体験にならない。
最初は、99%支援して、1%本人自身で「できた」部分を掴んでもらう。
失敗させてしまわないためには、それくらい必要である。
自分の行動や言動を、自分でコントロールできないというのは苦しいのである。
それをスモールステップで、自分でコントロールできるように応援していく。
こちらが支援していた割合を減らしていく。
99%から90%へ…80%へ…このステップの設定の仕方、本人に任せる部分を減らしたり増やしたり、そこにまた工夫が必要で、瞬間瞬間で無駄な失敗をさせてしまわないように判断できるのが力量である。

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『幼児期 -子どもは世界をどうつかむか-』(著:岡本夏木)岩波新書
p.51
しつけを受け入れ、そしてさらにそこから脱却してゆくことを可能にする原動力は、子どもが自分自身についてもつことのできた「誇り」であり、「自尊心」なのです。はじめにふれた「しつけ糸をはずす」おとな側の仕事は、子ども側のこの「誇り」と「自尊心」を育ててゆくのを手助けする行為とも言えます。
「早起きはつらいけれど、自分はできるのだ」、「お手伝いをすることでオ母サンを助けるのだ」、「相手が叩きに来ても自分は叩かない」、「遊びに行きたいけれど、弟の守りをしてやるのだ」…。子どもがよいことをした時、人間的な親(先生)は、それを形式的に「ほめる」よりも、自分自身が「喜び」ます。親(先生)が自分の行為を喜んでくれること、これほどうれしいことはありません。そして「自分はオ母サン(先生)を喜ばせることができる人間なのだ」という子どもなりの自覚、これこそが、しつけから抜け出し自らの自立性をうちたててゆく、もっとも大きな拠りどころとなるものなのです。
それまでは、拒絶や反抗ばかりしていた子が、自ら進んで自分のよいところを人に見せたり、親や先生に自分ご「よい子」であることを示そうとするふるまいが出てくる時期があります。「寵愛期」か、「優美期」と呼ばれたりしています。精神分析派の学者たちは子どものナルシシズム(自己愛)として解釈するようですが、私は子どもの誇り、自尊心への第一歩と考えます。
こうして子どもも自らが心に生み出してゆく行為主体としての自分の「誇り」「自尊心」が、しつけからの脱却だけでなく、その後の児童期、青年期を通して子ども自身をいちばん深いところで支える力の中核をなしてゆきます。しつけが人生の基礎となるという意味は、生活習慣のスキルや善悪知識を身につけるということだけでなく、自己への信頼と自尊心の第一歩を、しつけの中で踏み出してゆくことにあると思います。
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こちらが支援する割合を減らしていくのは、この「しつけ糸をはずす」ことである。
運動や勉強だけではなくて、生活習慣のスキルも学んでもらわなければならない。
ただ、運動を通して、動きの発達を埋めていくことによって、随分と生活習慣行動が上手になっていくことは確実である。

かくたつ播磨

店主・守本 悠哉(社会福祉士・公認心理師)

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