自閉症の人が与えてくれた宿題 2.初めて読んだ自閉症の人について書かれた文章について(1)

支援方法を知りたい、それ以前の問題

【人間観・人生観・障害観】

 この時期も2003年頃である。
 一つ目の施設で自閉症の人のわけのわからなさに出会い、実体験を通して、
 『他に何か支援方法はないのか?』
 『何のための支援なのか?』
 『でも、自分では(支援方法が)わからない(どうしたらいいのかわからない…)』
 と考えていたときに、初めて自閉症について書かれた文章を読んだ。

 

 その文章には、「自閉症とはどういうもので…」というような障害特性について書かれたものではなかった。
 そこには、
 『自分はどういう生き方をしているのか、どういう人生観をもって暮らしているのか』
 『人間というものをどう考えているのか』
 『(というような考えることが)自閉症の人とどう向き合い付き合っていくのか、その心意気・構えをつくる』
 ということが書かれたていた。

 

 「自閉症の人たちへの支援方法を知る」
 というテーマと
 「どういう生活(日中活動)をするのか」
 という二つのテーマが宿題になったのであるが、どう支援するかというような「方法論」以前に、『人間観・人生観・障害観』を考えなければならないという土台・根底を問われた。

 

 僕はこの文章にのめり込んだ。
 それからずっと、職員研修でも個別指導でも『人間観・人生観・障害観』を土台に考えることを大切にしている。
 障害特性は無視しないけれど、障害特性を考える前に『人としてどうなのか』『どういう人生を送ってほしいのか』を考えているし、お伝えしている。

 

 この文章に出会えて、本当に良かったと思っている。
 宿題をくれた自閉症の人のおかげで、その文章と出会えた。
 あの人のおかげ、その文章のおかげで今の僕がある。 


かくたつ播磨

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