自閉症児者のこだわりとの付き合い方(2)

こだわりの対象物は隠しても解決しません

【キチンと向き合う・バカにしない付き合い】

「こだわりの対象物は隠す」という解決策は、解決になっていません。

その場しのぎと言えます。
こだわりの対象物がまた新たに出てくる。また隠す。
それを繰り返していると何も物がないところに行くしかない。
物にこだわれなくなったら、自分の身体にこだわる。つまり、髪の毛を抜いたり、自傷したり…。
そういうのは辛いです。
でも、実際に何もない部屋で生活をしている方を知っています。
障害の有無に関係なく、「こだわりがない人」というのはいないと思います。
こだわっている、けれど、融通がきく人にはなれます。
こだわっている、けれど、こだわり通りにならなくても、かんしゃくをおこさない人にはなれます。
対象物が目に入っても突進しないようにならなければなりません。
多動な状態は反射的に動いてしまうので、突進しやすい状態と言えます。
多動な状態ではなく、ゆっくり動けるようにします。
自分の身体を自分でコントロールして動かせるようにします。
過剰な力みも弛めます。
力んだままゆっくり動けません。
力んだままだと、どうしても速く動いてしまいます。
速く動いてしまうと反射的な動きが出やすく、突進しやすいのです。
対象物が近づいても、触らない、反射的に動いてしまわない練習もします。
本人が自分の思うとおりにしたいというような意図をもってこだわっている場合は、
「今日は(今は)しないでおくと言った時にはしないで済むようにならないといけない」
と話します。
本人もこだわりたくない、こだわってはいけないと思っているけれど、反射的にやってしまう場合は、
「やらないで済むための練習だから、ゆっくり動くこと、近づけても手に取らないままでいられるように練習しよう、応援するから」
と話します。

 

「こだわりの対象物は隠す」

もちろん、いきなりハードルの高いことをしても仕方がありませんから、段階を踏んで一時的に隠すことはあり得ます。

しかし、そういう「その場しのぎ的な付き合い」をずっと続けているとすれば問題だと思います。

 

そして、

その「その場しのぎ的な付き合い」は、

「隠せばだませるだろう」

「どうせ気が付かないだろう」

「やっかいだから隠してしまえ」

というような

自閉症をもつ相手にとって失礼な付き合い方・バカにした付き合い方ではないかと思うのです。

 

本当に相手のことを思うなら、

僕はキチンと向き合って、本当に解決に向かうような対策を一緒につくっていきたいと考えます。

その場しのぎではない、本当に楽に過ごせるような人になってほしいからです。


かくたつ播磨

店主・守本 悠哉(社会福祉士・公認心理師)

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