親子で、職員と、一緒に取り組むために
【「好きなことを好きなだけさせていれば安定」していますか?】
【本当に、やりたいことをして、生き生きと張り合いをもって生活するには?】
「好きなことを好きなだけさせているのですが、安定しません」
とか
「好きなことを好きなだけさせているのですが、切り替えられなくて、時間になっても終われません」
とか
「好きなことを好きなだけさせているのですが、他害・自傷があって、困っています」
というようなことをよく耳にします。
好きなことを好きなだけさせてくれる通所施設、そんなところはあるのでしょうか。
結局のところ、させてあげようにも、限界があるはずです。
また、家庭では、放課後等デイサービスの後の家庭生活、高校を卒業後であれば、通所施設に通うと15時頃や16時頃に帰宅します。
その時間から次の日まで、どうやって過ごしますか。
本人のペースでやりたいように…。
【本人のペースに合わせて、やりたいことをさせていたら、イライラもしない】
ということになっています。
ところが、「それ以上はやってはいけない」「そこに入ってはダメ」、そういうことは沢山あります。
職員研修で施設に伺うと、やりたいことをやりたいようにさせている人の後ろを、職員さんが付いて歩いている光景があります。
特別支援学校でも、そういうことがあると、よく耳にします。
家庭では、本人ペースで過ごしているばかりに、生活リズムや日課がグチャグチャになっている、家族が本人のこだわりに振り回されている、ということがあります。
最初は困ると感じていたものが、だんだんと、その日常が当たり前になってくる。
「子どものために、これが正しい」と思ってしまう。
現実は、
【本人ペースに合わせて、やりたいことをさせていて、行動が落ち着いて、安定して過ごしている、という人があまりいない】
のです。
ウロウロしている自閉症の人も、後ろを付いて歩いている職員さんも、あまり楽しそうではない。
充実していて生き生きとしている感じがない。
やめさせようとしたりするとカンシャクを起こすので、子ども自身もそれを望んでいるように「見える」。
しかし、それはこちらから、そう「見える」だけであって、子ども自身がそう「思って・考えて」いるかどうかはわからないのです。
自閉症の子どもだって、嫌われたくないし、褒められたいし、認められたい。
ただ、切り替える力、合わせる力が不足していて、そうしたくても、できないだけです。
できなくて、苦しんでいるのです。
苦しんでいる。
けれども、「したいようにさせてあげた」結果、「人に合わせられず、自分勝手なことばかりする人」という評価をされ、作業所や通所施設で受け入れてもらえなくなる。
家庭での生活ができなくなってくる。
自閉症の子どもたちに、そんな風になってほしくない。
ご家族にも、そういう思いをしてほしくない。
【切り替える力・合わせる力は練習すれば、身につきます】
自閉症の子どもだって、もちろんできます。
きちんと練習すれば、カンシャクを起こさず、他害や自傷をせずに、行動を切り替えられるようになります。
したいようにさせることが多い場合、情動のコントロールを練習する機会が少ないということになります。
やりたいことだからこそ、興奮し脈が上がり、情動のコントロールを失いやすいと言えます。
情動をコントロールできるようにならなければなりません。
「人に合わせられるように(人の話が聞けるように)」
「仕事ができるように」
「生活できるように」
「嫌われない人に、可愛がられる人に」
なります。
子どもの言う通りに、決めた予定通りに、こだわりに合わせて、好きなだけをさせていると「好きじゃないから、やりたくない、やらない」という人になってしまいます。
好きなことしかやらない、というのでは、仕事ができない。
好きなことには努力はいらない。
「ちょっと分かりづらい、難しくても、やり遂げる」そういう努力が必要。
そうでないと、作業所や通所施設でやっていけない。
家庭生活が成り立たない。
「やりたいことを途中でやめられない」そうではなくて、やりたくても、途中でやめることが必要。
こういうことは、自閉症の子どもだから特別に身につけなければいけないもの、ということではなく、障害があってもなくても、身につけなければならないことです。
この力があってこそ、
自閉症の子どもと家族が「一緒に」「幸せに」生きていくことができます。
【どうやって身につけるか?】
ご家庭で、
職員研修で、
運動プログラムを通じて、
スモールステップで、
切り替える力・人に合わせる力の身につけ方をお伝えします。
体験談の方々、体験談を掲載することをご希望されていない方々も、一緒に、そばで、見て、実際にやってもらうことで、身についています。
職員研修も同じく、実際に、現場で、職員さんと一緒に、方法を伝えて、力量をあげておられます。
方法論だけではなく、
「見えていることだけで判断しないこと」
「どういう人生を送ってほしいのか」
根本的な付き合いの想いについてもお話させていただいています。